「AGEs」が引き起こす数々の病気
糖尿病患者さんは、高血糖状態が続いているため「AGEs」が大量に蓄積されています。
糖尿病の診断基準の「ヘモグロビンA1c」も実は、赤血球のタンパク質であるヘモグロビンが「糖化」して「AGEs」に変化する一歩手前の中間「糖化」物質です。
そして「AGEs」は糖尿病の3大合併症と呼ばれる神経障害、網膜症、腎不全などにも悪影響を及ぼします。
アルツハイマー病の原因として、脳内の組織にアミロイドベータというタンパク質が蓄積して、脳の神経細胞が死滅すると考えられています。
アルツハイマー病の患者さんを調べたところ、健常な人に比べ、3倍以上も「AGEs」が蓄積していることが報告されています。
このようにアルツハイマー病の発生に「糖化」が大きく関わっていることがわかってきました。
つまり、「糖化」を避ける生活を送れば、アルツハイマー病にならないよう予防が可能になるのです。
骨のコラーゲンが「AGE」化(糖化)すると骨の強度が下がり、骨粗しょう症になります。
また「AGEs」によって破壊された骨はカルシウムとして血液の中に溶け出し、血管の中で石灰化し、動脈硬化のリスクにもなります。
目の奥で光を調整するレンズの役割を果たしている水晶体は、クリスタリンというタンパク質でできています。
クリスタリンが「AGE」化(糖化)すると、紫外線による酸化とあいまって水晶体が白く濁り、白内障をおこします。
動脈硬化は日本人の死因の上位を示す「脳血管疾患」「心疾患」の原因になるものです。
欠陥の弾力を保つにはコラーゲンは欠かせません。
コラーゲンが「糖化」すると肌の弾力性が低下し、皮膚の老化につながってしまいます。
このように「糖化」は動脈硬化と密接に繋がっていることを覚えておいてください。
ガン細胞を駆除してくれる体内酵素
血糖値の急上昇を慢性的に繰り返したり、高血糖の状態を続けると、タンパク質である「酵素」は余分な糖と酵素が結びついて「糖化」を引き起こし「AGEs」となってしまいます。
結局、ガン細胞を退治するという酵素がもつ本来の機能を失ってしまいます。
ガン細胞を駆除してくれる酵素にとって一番の敵は「余分な糖」であり、「過剰な量の糖」ということになります。