博士のつぶやき

【トランス脂肪酸って本当に悪いの?】

「トランス脂肪酸は体に悪い」
まずこの前提を捨てることから始めましょう。

トランス型かどうかというのは、単に脂肪酸の構造の話であって、何型だから良い悪いは、血液型のように話としては分かりやすいかもしれませんが、脂肪酸の健康への影響を評価する方法としてはあまり役に立ちません。

バターに含まれるトランス脂肪酸は、トランスバクセン酸(TVA)のことを指していると思いますが、これは反芻(草食)動物の腸内細菌が牧草のセルロースから作る脂肪酸です。
草を食べる反芻動物の腸内で自然に作られる脂肪酸です。
TVAは共役リノール酸(CLA)に転換されます。
ですので、グラスフェッドのお肉や乳製品はTVAやCLAを含みます。
バターもTVAやCLAを含みます。

「リノール酸が体に悪いから、共役リノール酸(CLA)も悪いのでは?」もよくいただく質問ですが、リノール酸とは性質が異なる脂肪酸です。
CLAは多くの作用があることが示されています。

1. 体脂肪を減少させ、筋肉量を増やします。
2. 抗酸化作用があります。
3. 心血管疾患を予防します。
4. 抗炎症作用があります。
5. インスリン感受性を改善します。
6. がんを予防します。

ところで、穀物肥育による肉や乳製品はTVAやCLAがほぼ含まれていません。
食べ物にセルロースが少なく、TVAを作る腸内細菌も激減するからです。

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